ハレー彗星様より
追い求めた夢
「起きて、シェゾ。」
「ん・・・。誰だ?」
「こっちよ。」
「待ってくれ!君は、一体誰なんだ・・・。」
ガバッ
「はぁ、はぁ・・・。」
まただ。またあの夢だ。
最近、同じ夢を毎日見る。
髪の長い女が、俺の名を呼ぶ。
俺が追いかけようとすると、女は消えてしまう。
女の顔は見えない。
・・・だが、何処かで会ったような、懐かしくて、
温かい感じがする。
この夢を見るようになって、2週間が経つ。
追いかけても追いかけても捕まらない女に、
俺は、何時の間にか惹かれていった。
どうしても、あの女を捕まえたい。
捕まえて、自分の「もの」にしたいと、思うようになった。
ベットの中で、女のことをずっと考えていたら、
「変たーい、いるー?」と、女の声がした。ルルーだ。
「ルルーがあの女だったら、とっくに捕まえてるのにな・・・。」
「なんだいるじゃない。返事ぐらいしなさ・・・。」
ルルーが真っ赤になって、バックを床に落とした。
無理もないか。上半身裸で、汗だくで、しかもベットの中じゃ。
「あ、あんた、なんて格好してんのっ!ま、まさか誰かと寝た!?」
「馬鹿なこと言うなよ。俺は、女とやってる暇なんかねぇ。」
「何言ってんのよ。いつも家でボーっとしてるくせに。」
「ボーっとなんかしてねぇよ。本読んでるし。」
「あっそ。早く、服着てよ・・・///」
「何赤くなってんだよ。やだよ。熱いし・・・」
「早く着ろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「わーった、わーった。着るから。」
ったく、顔真っ赤にして何言ってんだか。
熱かったけど、しょうがなく俺は、Tシャツを着た。
勿論、汗をしっかり拭いてから。
「最初からそうしてればいいのよ。」
「あー、うるせぇな。もういいだろ。」
「なによっ。その言い方・・・・・・。」
急に、ルルーが黙り込んだ。さっきまで大声出してたのに。
「・・・・・・で?」
「で、って・・・?」
「だから、何で俺ん家来たんだよ。用がなきゃ来ねぇだろ。」
「・・・・・・私、引っ越すの。」
「えっ・・・?」
一瞬、耳を疑った。
「明日の、朝8時に出るわ。」
「あ、明日っ!?」
「えぇ。だから、あなたとくだらないことで言い合うのも、
今日が最後よ。」
ルルーが引っ越す?今日が最後?まさか。
今まで、毎日のように会っていたルルーが、明日にはいなくなる?
信じられねぇ。つーか、信じたくねぇよ。
別に、ルルーが好きだからとかじゃなくて、・・・・・・淋しいんだよ。
また、一人になるのか・・・?
「急、だな・・・。」
「まぁね。昨日決めたの。」
「昨日・・・・・・。」
「もう、この街にいられないの。」
「なんで・・・。」
「それは、言えない。・・・ごめん。」
「いや、いいんだ。」
ホントは、よくねぇけどな。
「それだけ伝えに来たの。もう帰るわ。」
「あぁ・・・。」
「あ、あんたに手紙を渡すんだった。」
「手紙?」
「えぇ。大切な手紙。」
そう言うとルルーは、バックから手紙を取り出し、
「はい。」と言って俺に手渡した。
「今日は読んじゃダメよ。明日になったら読んで。」
「なんでだよ。」
「いいのっ。とにかく明日になったら読んで。」
「・・・わかった。」
俺は、ルルーを見送りに外へ出た。
見送りならいつもやってるけど、今日は・・・。
今日で最後だと思うと、胸が苦しかった。
「じゃあね・・・。」
「あぁ。元気でな・・・。」
ルルーは、行ってしまった。
ルルーの後ろ姿を、俺は、見えなくなるまで見ていた。
〜その日の夜〜
「11時57分・・・。あと3分だ。」
いつもなら、とっとと寝ちまう俺だけど、ルルーに貰った手紙を
読むために、必死で起きている。かなり眠い。
「早く明日になれ―・・・。ふぁ〜。」
時刻は、11時58分。あと2分で日付が変わる。
「くぅー・・・。」
最悪だ。寝ちまったよ。
そしたら、「シェゾ。」と、誰かに呼ばれた気がして目が覚めた。
「ふぁ〜・・・。あぶねぇ。もう1時か。」
時計を見たら1時6分だった。
「さてと、手紙を読むか。」
ルルーのやつ、大切な手紙って言ってたけど、何書いたんだろ。
俺は、封を切り、手紙を読み始めた。
Dearシェゾ
あなたに手紙を書くのは、後にも先にも、これが最後だと思うわ。
どうか、最後まで読んで下さい。
私がこの街を出て行くのには、1つ理由があるの。
それには、アルルと、あなたと、そして私が、関係しているわ。
アルルは、あなたのことが、好きらしいの。
そしてあなたも、アルルのことが好きでしょう?
私は、2人に幸せになってもらいたいの。
だから、私はこの街を出ていくわ。
これ以上あなたの側にいたら、私は、今よりも
もっともっとあなたを好きになってしまって、
アルルからあなたを、2人から幸せを奪ってしまう。
親友のアルル、そして、最愛のあなたには、幸せでいてほしいの。
だから、私はもう、あなたの側にいられない。
今まで、本当にありがとう。
あなたからは、たくさんのものを貰ったわ。
さようなら、大好きなシェゾ。
Fromルルー
俺ってつくづく馬鹿だ。
一番重要な下半分を、読まずに寝てしまった。
「シェゾ・・・。」
俺は、またあの夢を見た。
だが、いつもと違った。
「シェゾ、起きて。」
「ん・・・。誰だ・・・・・・ルルー・・・。」
そう。女の顔が見えたのだ。
「シェゾ。お別れを言いに来たわ。」
「ルルー、行くなよ・・・。」
「・・・さよなら・・・。」
ルルーは、そう言って俺と自分の唇を重ねた。
「大好きよ・・・。」
ルルーは消えていった。
ガバッ
「ルルー・・・。」
俺は、唇をなぞって、ルルーの名前を呟いた。
そして、まだ手に握られている手紙を、もう一度読み直した。
「俺は・・・、なんて馬鹿なんだ・・・!!」
俺が追いかけていた女は、ルルーだった。
自分の気持ちに、今頃になって気付いた。
俺は・・・ルルーが好きだ。
どうして、今まで気付かなかったんだろう。
こんなに近くにいたのに。
俺は、時計を見た。7時50分になろうとしている。
「あと10分しかねぇっ・・・。」
テレポートを唱えたが、集中できなかった。
「しゃーねーな・・・。」
俺は、家をとび出した。
「はぁっ、はぁっ。」
俺は、走っていた。全力で。
人生で、こんなに走ったのは初めてだろう。
ルルーの家が見えてきた。
ちょうど、ルルーが家から出てきたところだった。
「ルルー・・・!!!!!」
力の限り叫んだ。
「シェゾ・・・?」
ルルーも、俺に気付いたようだ。
俺は、そのままルルーの所まで走っていき、ルルーを力強く抱きしめた。
「シェゾっ・・・。」
「ルルー、行かないでくれ・・・。」
消えそうになる声で、俺は言った。
「お前がいなくなるってわかって、初めてお前の大切さを知ったよ。」
「今頃、遅いかもしれねぇ。けど、正直に言える。・・・俺は、お前が好きだ。」
「シェゾ・・・・・・。」
「俺を、1人にしないでくれ・・・!!お前なしじゃ、生きていけねぇよ・・・!!」
「シェゾ・・・、泣いてるの?」
泣いていた。俺も、ルルーも。
「ホントに?夢じゃないの?私も、あなたが大好き・・・。
世界中の誰よりも、あなたを、愛しているわ・・・!!」
「ルルーっ・・・。」
「もう、何処へも行かない。あなたの側にいるわ。」
俺は、ルルーと唇を重ねた。
今度は、夢じゃなく、現実で。
その後、アルルはラグナスといい関係だというのがわかった。
今、俺の隣にはルルーがいる。
昨日も、一昨日も、そして、明日も明後日も。
もう、あの夢は見なくなった。
俺が捕まえたかった人は、もう捕まえたから。
手に入れたかった夢は、現実となって、今、ここにある。
〜あとがき〜
・・・、多いなぁ
なんか、無駄に長い気がする・・・。
シェゾの台詞くさいし。
シェゾのキャラが、微妙に崩れてるような・・・。
進歩してません、俺。
こんなのしか書けないのです。
腐った人間は、腐った文しか書けないようです。